漫湖日和3

ラムサール条約登録湿地「漫湖」について、生き物や歴史、センターの活動など紹介します。 ※ブログ内のすべての画像及び動画の無断転載・無断使用を禁止します。
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8/21 マングローブ林内のごみ拾い

お昼に突然雨がどばっと降りましたが、台風の影響でしょうか?
心なしか涼しくなったところで、雨上がりのマングローブ林内のゴミ拾いをしました。

ゴミ拾いポイント
〇の所がゴミ拾いした場所


これまでは月に1回のペースでボランティアメンバーの皆さんと一緒にゴミ拾いをしていましたが、現在はコロナウイルスの影響でほとんど活動できていません。しかしゴミは相変わらず流れてくるのでどんどん干潟にたまる一方。
とりあえず拾える分だけでも拾わねば、ということで、胴長を着ていざ出発!

ゴミ拾いセット
ゴミ拾いセット。拾ったゴミを入れる買い物かごも干潟で拾ったもの

この日は大潮で干潮時刻は12時39分。それからちょうど1時間ほど過ぎたところで、ゴミ拾いするにはいいタイミングです。いざマングローブ林内に入ってみると…

マングローブ林内の様子
マングローブ林内にたまった漂着ゴミ


林内の奥までずっとこんな感じです。ぱっと見ペットボトルが目立ちますが、発泡スチロールや食品トレーの細かくなったもの、ビニール袋、ボール等々、大きさも種類も様々なゴミがたまっています。なるべく取り残しのないよう気を付けながら拾っていきます。

干潟のゴミ
〇で囲まれたゴミは発泡スチロールの欠片。ぱっと見は石か泥の塊のようでわかりにくい


林内にはウラシマミミガイイトカケヘナタリがたくさんいました。因みにこのウラシマミミガイ、日本では沖縄島にのみ生息しており、準絶滅危惧種にも指定されています。

ウラシマミミガイ
泥の上を這うウラシマミミガイ。殻についた泥を落とすとしましま模様が見えます。

人が干潟に入るとそこを多少なり踏み荒らしてしまうことは避けられませんが、それでも踏まないよう慎重に進みます。マングローブが密に生えているので、うっかり小枝で目を突いてしまわないようにも注意が必要です。
かごがいっぱいになったら一旦戻ります。木道にかごをあげて自分も柱からよじ登り、かごのゴミを大きな収草袋へ移してまた干潟へ…ひたすらこの繰り返しです。泥干潟は動き回るだけでもなかなか体力を削られるので、時々休憩をはさみながら進めます。

拾ったゴミを木道にあげる
ゴミの運搬は結構大変。数人でやると何度も上り下りしなくて済む


2時間ほどで大きい収草袋2つがいっぱいになりました。見える範囲だけでも拾った分の何倍ものゴミがまだ残っていますが、熱中症の危険も考慮してここでひきあげます。とりあえず、拾ったエリアだけでも少しはきれいになったかな?

ゴミ拾いしたエリア
ゴミ拾い後の林内の様子。振り返った先にはゴミだらけの光景が広がっている


回収したゴミはある程度乾いてから分別、計量するので、しばらくこのまま置いておきます。

回収したゴミ
今回回収したゴミ。分別・計量も拾うのと同じくらい時間がかかる


ゴミの分別と計量はどんな感じなのか?少し前の8月17日に以前拾っておいたゴミの分別と計量もやっていたので、ちょこっとご紹介。

ゴミの分別
ごちゃまぜのゴミをざっくり分別していく


可燃ごみ、不燃ごみ、その他粗大ごみ等と分けて、さらに可燃ごみはペットボトル、発泡スチロール、プラスチック容器、ビニール袋…、不燃ごみではビン、缶、その他金属類…等といった感じで分けて、それぞれ袋に入れていきます。袋がいっぱいになったら計量します。

分別・計量済みのゴミ
センターは河川愛護会に登録しており、回収したゴミの運搬および処分は定期的に沖縄県緑化推進委員会にお願いしている


因みにペットボトルは本数も数えていますが、ビン等は割れていたりするので重さだけ量って記録します。

ガラス・ビン類
干潟で拾ったガラスやビンの破片。とても危ないので干潟に入る際は必ず靴を履こう


この日の集計結果は以下の通り。

【可燃ごみ】
 ・ペットボトル(飲料用) 5.5kg (116本)
 ・ビニール(レジ)袋   32.0kg
 ・プラスチック容器     2.0kg
 ・ボール類         3.0kg (28個)
 ・発泡スチロール      4.0kg
 ・その他(分別不可)     22.5kg
【不燃ごみ】
 ・電球  2本
 ・ビン  6.5kg

⇒ 総計 77.5kg

この他にも食品トレーや缶類、金属容器等のゴミもあったのですが、袋いっぱいにはならなかったので次回の計量分に回します。

毎回大体そうですが、やっぱりペットボトルや発泡スチロール、ビニール袋等のゴミが多いです。ビニール袋は透明だし干潟に埋もれていて目立たないですが、見えている以上に多い印象です。
それから漫湖の周辺には学校や公園が多いので、サッカーボールやテニスボール、野球ボール、ゴムボール等のボール類もたくさん流れてきます。因みにテニスボールは、何故か外側が全部はがれた状態で流れてくるのが多いです。
それから農業関係のゴミもよく見かけます。ハウス用のビニールやその留め具(パッカー)、セルトレイ、肥料袋、農薬のボトル、農薬散布機の部品…等々。都市に囲まれた漫湖ですが、漫湖に注ぐ国場川と饒波川の上流には農地も多いので、そうしたところからも流れてきていると考えられます。

ウラシマミミガイ
ゴミ拾い中に見つけたウラシマミミガイ。

ゴミ拾いをしていると、漫湖に流れてくるのはどこか遠い外国のものではなく、私たちの身近にあるものがゴミになっているのがよく分かります。
いったん漫湖に流れてきてしまうと、泥干潟でゴミを拾うのはとても大変だし、大半は見えていても(そこにたどり着くのが困難で)取れなかったりします。拾えたとしても泥だらけなので、リサイクルできるものもほとんどありません。そして先ほども書きましたが、干潟に入ることはそこにすむ生き物たちの生息環境を少なからず荒らしてしまうことでもあります。

ゴミを出さないこと、ものを長く大切に使うこと、それが漫湖のゴミ問題の唯一かつ最大の解決策なのかもしれません。

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