漫湖のなかまたち~ドロアワモチ~

事務仕事がひと段落したので、カメラ片手に木道を散策しました。
ちょうど干潮の時間帯。ここ最近だんだん涼しくなってきましたが、カニやトントンミーたちは元気いっぱい活動しています。
さっそくオオベンケイガニを発見!
干潟で暮らす生き物たちは、泥や石などの周りの環境にまぎれるような地味な(失礼!)見た目をしているものが多いので、動かないとなかなか見つけにくいです。
その中でも、特に見つけるのが難しい生き物がこちら。
どちら??
見つけられましたか?
実はこんな生き物が隠れています。 ↓
その名も「ドロアワモチ」。
ぱっと見は泥にしか見えないうえ、動きもとてもゆっくりなので、目が慣れていないと見つけるのはなかなか難しい生き物です。
今日(10/2)はそんなドロアワモチをなぜかいっぱい見かけました。
ここにも、
そこにも、
あそこにも。ベニシオマネキが見ている。
ダブル。
トリプル!
23匹まで数えた所で閉館時間のためタイムアップ。
今は木道が工事中のため観察小屋のところまでしか行けませんが、そこから先のエリアももしかしたらいっぱいいたのかもしれません。
大きいの1匹と小さいの2匹。大きさが違うのは大人と子供?それとも種類が違うのか?
小学校の団体を案内する時なんかに見つけて説明したりすると、「なにこれー!?」「キモーイ!!」とか言いつつみんな興味津々で観察します。
こんな不思議な生き物が身近にいるなんて驚きだし、わくわくしますよね。
「ナメクジ?」とか「ウミウシ?」と聞いてくる子も多いですが、実は当たらずも遠からず。
ドロアワモチは貝殻をもたない巻貝の仲間で、ナメクジやウミウシとは親戚にあたります。
正面からパシャリ。ぴょこっと出ている触角がかわいい。
内湾の泥干潟やマングローブ林を生息地とするドロアワモチは、こうした環境が悪化、または消失したことにより数が減っています。
実は、沖縄県では準絶滅危惧種に指定されている生き物なんですよ。
因みに似たような生き物で「イソアワモチ」というのもいます。名前の通り磯浜に生息していて、漫湖では今のところ見かけたことがありません。地域によっては食用にする所もあるのだとか。
そうめんのような細い線状の糞を出しながら干潟を移動するので、この糞を辿ると見つけやすい。
カニやトントンミーのように、気温が下がってくるとドロアワモチも姿が見られなくなってくる。
冬の間はどこでどう過ごしているんだろうか?ドロアワモチの生態はよくわかっていないことも多いらしいです。
漫湖に来たら、ぜひ探して観察してみてくださいね。

答え合わせ。見つけられたかな?
【参考】
『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版 動物編』 沖縄県 (2017)
東江あやか「自然を見つめて ドロアワモチのRESEARCH3」(2009) ※外部サイト
↑ 伊是名中学の中学生の研究作品(第50回自然科学観察コンクール中学校の部 文部科学大臣賞)。素晴らしい研究です!