沖縄は台風が近づいていたので、昨日は少し慌ててイベント「セミ博士の部屋」の準備、セミの採集を行いました💦
イベント「セミ博士の部屋」は、「セミは身近な生きものだけど実はよく知らないかも。セミのフシギを解き明かしてみよう!」というイベントです。
実際のイベントでは昆虫博士の杉本雅志さんから、セミの進化の中での位置付けや日本のセミ、種の見分け方、からだの仕組みなど色々なことを学びます。
今年は残念ながら、9月に延期になってしまったのですが、本当は夏休みの自由研究にピッタリなプログラムですので、内容を少しご紹介したいと思います。
その1 ~セミの成虫見分け方~
沖縄中南部の街中(まちなか)でもよく見かけることが出来るセミに「クマゼミ」と「リュウキュウアブラゼミ」がいます。
2種類のセミの写真を並べてみますね。
▲リュウキュウアブラゼミ (センターの研究室を移動中)
▲ クマゼミ
どこが違うか分かりますか?大きさやむねの色などいろんなところに違いがあると思います。
スタッフは茶色い羽のセミがリュウキュウアブラゼミ、透明の羽がクマゼミですよと説明することが多いです。
(2種類しかいないときです)
その2 ~セミの幼虫・抜け殻で種類を見分けてみよう~
では、次にリュウキュウアブラゼミとクマゼミの幼虫をセミの抜け殻から見てみましょう
2種類の抜け殻を並べてみました。
▲リュウキュウアブラゼミとクマゼミの抜け殻
左がリュウキュウアブラゼミです。右がクマゼミです。
クマゼミの抜け殻の方が大きいですね。
抜け殻が1種類しか見つからなくて比べられない・・・、という時は抜け殻のお腹を見てみて下さい。
▲リュウキュウアブラゼミの抜け殻
▲クマゼミの抜け殻
どこが違うか分かりますか?
スタッフは、お腹の「でべそ(でっぱり)」があるかないかで見分けると簡単だよ、と教えてもらいました。
他にも触覚や前足の歯の付き方など色々違いがあるそうです。色々探してみてくださいね。
その3 ~セミのオスとメスを見分けてみよう~
ここからがすこ~し難しいです。
クマゼミの成虫のオスとメスの写真を並べてみました。どこが違うか分かりますか?
▲クマゼミのオス(左)とメス(右)
こちらも違いは色々あると思うのですが、お腹にオレンジの『共鳴板』があるかないかで見分けられると思います。
(セミはオスしか鳴きません。オスだけ鳴くための器官を持っています。)
オレンジの共鳴板があるのがオス、ないのがメスです。
その他に、メスはお腹側の先の方に産卵するための『産卵管』がありますよ。
では、最後にセミの抜け殻でもオスとメスの違いをみてみましょう!
こちらは『産卵管』の痕跡(こんせき)で見分けると分かりやすいです。
▲クマゼミのメスとオス (黄色い丸印が産卵管です。)
セミを調べるときは、
①どこにどんな種類が多いか、②オスとメスのからだの作りの違いや環境の違い(抜け殻や止まっている場所)
③セミが鳴いている時期 などに注目して調べると面白いかもしれません。
ちなみに、漫湖の近く、漫湖公園などでもまだクマゼミの鳴き声が聞こえています。
マングローブの中でも鳴き声が聞こえてくることがあります。泥の中に幼虫がいる?のかと思い、とてもフシギでした。
新しい発見をした方は、ぜひ漫湖水鳥・湿地センターにも教えて下さいね。
沖縄にはほかにも色々な種類のセミが暮らしていますよ。
琉球大学の風樹館さんの「おうちミュージアム」では、今の期間、特別に沖縄のセミ全種の鳴き声などをアップしています。
ぜひチェックしてみてくださいね。
風樹館「沖縄のセミ」
(おまけ)
セミを探していると、恐竜みたいに頭にとげとげがあるオキナワキノボリトカゲに出会いました。
オキナワキノボリトカゲは沖縄島では昔に比べて数がとても減っていて絶滅危惧種に指定されています。
家で飼育するのもとても難しいです。
見つけても持ち帰らず見つけた場所で放してあげてくださいね。
▲オキナワキノボリトカゲ (見つかるとこのポーズで固まります。)
▲オキナワキノボリトカゲ 若い個体は茶色が多いです (ばれてますよ~)